共通テーマ:「令和」新時代の政治法律を展望する
趣旨:新しい時代である「令和」の最初の学会を会員の皆様と共有し、将来の政治法律そ
して政策の在り方を検討する。
若葉のころ、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、5月には新天皇の即位という歴史的なイベントを終え、新しい時代の元号は「令和」であることが発表されました。また、今年は選挙イヤーでもあり、4月の統一地方選を終え、そして7月の参院選を控え、元号をまたいで新しい政治の動きが見えてくる年でもあります。
新しい時代は、これまでとは異なる課題、これまでに解決できなかった課題に挑戦すべき時代となると考えます。そこで、2019年度春期研究東京大会においては、皆様の新しい時代への希望に応えるような研究パネルをご用意することとなりました。
学会におきましては、新しい時代は、過ぎた時代の延長上から出発するという意味を確認するために、過ぎた「平成を回顧する」というパネルを設けております。これにより、現在の我々の立ち位置を再確認することにより、将来の見取り図を描くことが出来ましたら幸いです。
さらに、新しい時代は、これまで以上に、積極的に国際交流の進む時代と考えております。初日の午前中には、中国から中国における日本研究の第一人者である季衛東上海交通大学教授、そして新進気鋭の蔡亮上海国際問題研究所研究員をお迎えして、「日中新時代を考える」というシンポジウム・パネルを開催いたします。21世紀の超大国である中国と、未だ経済大国として国際的な存在感を放つ日本との間の国際関係を展望できるものと確信しております。
また、日本の学会とはこれまであまり関係を持ってこなかった中部ヨーロッパ政治学会から理事のアコシュ・コッペル(Akos Kopper)、ハンガリー共和国ELTE大学教授をお迎えいたします。コッペル教授は日本に留学された経験もお持ちで、これを機会に本学会もヨーロッパの学会と正式なコンタクトを持つことが出来ると考えております。現地の研究者
をお招きし、世界的な広がりを見せる「ポピュリスト右翼政党」をグローバルな視点から分析する日本において初めてのパネルとなるものと考えております。
統一地方選も、単に地方の変動ということだけではありません。注目すべきは、徐々に日本国籍を取得した外国出身の候補者の方が、プレゼンスを示すようになってきているということがあります。2日目の午前になりますが、江戸川区議に挑戦されたインド御出身のヨギ様、そして新宿区議に挑戦された中国御出身の李小牧様をお迎えいたしまして、日本の地方政治におけるダイバーシティを検討するというパネルをも設けました。外国人の地方参政権の議論も見据えて、注目すべき動向を学術的に検討する最初の機会となると思います。
さらに統一地方選と参院選のはざまで、「令和」が始まった時期に行われる学会ということもあり、統一地方選、参院選のパネルも研究者のみならず、実際の議員、ジャーナリストを交えて最先端の情報交換ができるものと確信しております。さらに最終日には各政党の代表者をお迎えして参院選に向けて政策をお話し賜るパネルも用意されております。栄枯盛衰の激しい政界の中で、現時点で各政党はどういった政策を選挙に向かって訴えていくのか、それを有権者でもある会員の皆様と共有することができましたら幸いです。本学会はこうして、有権者と政治家をつなぐ、社会的な責任を学会も、当然に果たす必要があると考えております。
そして、本学会の日本の学問の発展に貢献された学会賞パネルにおいては、報道学会賞は、日本の政治報道の現場に長く携わり日本のジャーナリズムをリードされてきた読売新聞元社長、現在は最高顧問である老川祥一先生に、そして現代政治学会賞は、20世紀の超大国であった旧ソ連、ロシア研究の日本の第一人者である法政大学の下斗米伸夫先生に、それぞれ記念講演を賜ることとなっております。また、現代法律学会賞は、刑法の大家であり、早稲田大学の総長も務められた西原春夫先生に、現代公共政策学会賞は、行政学の分野から公共政策研究を世界的にリードされた明治大学の中邨章先生にご登壇願うこととなっております。
最後に、なんといっても、本学会の特徴である現職の政治家に、政策をお話し賜るという企画では、東京大会においては、初日は昨年に引き続き現職の法務大臣にご登壇賜ることとなりました。山下貴司法務大臣は、唯一、石破派から入閣され、昨年は入管法の改正など、多くの重要法案をまとめていらっしゃった政策の最前線にいらっしゃいます。また、ふるさと納税に関する発言で、都市の側を代弁されて積極的な意見を述べられ、今年の区長選挙においても勝利をおさめた保坂展人世田谷区長にも、ご講演を賜ることとなっております。そして、二日目には、民主党政権で総務大臣を務められた原口一博先生にご登壇願えることとなりました。原口先生の掲げていらっしゃった地域主権の現状や、野党として今後政権交代が起こった場合にはどういった対案が政策としてあるのかをお示しいただくこととなると存じます。
「新しいワインは新しい革袋で」という言葉もございます。この東京大会は、新しい時代に対応して、新しい思考の最先端を会員の皆様と共有する、そうした貴重な機会となると存じます。会員の皆様におかれましては、大変お忙しいこととは存じますが、いずれも劣らぬ貴重な機会でございますので、是非ともご参集のほどお願い申し上げます。東京でお目にかかるのを楽しみにしております。
東京地方裁判所の傍聴を行い、終了後に判事の方からレクチャーを受けます。
詳細はエクスカーションのページをご確認ください。
9:00~10:30
【日本現代政治学会】 統一地方選パネル
司会:井柳美紀(静岡大学)
報告:岡田 浩(金沢大学)
:地方議員選挙における党派所属の現状と効果:石川県の事例:
岡本哲和・石橋章市朗(関西大学)
:地方議員によるインターネット利用:2019年統一地方選前調査を用いて:
芦立秀朗(京都産業大学)
:統一地方選の結果と参議院選挙への示唆:京都府から考える:
討論:佐藤 学(沖縄国際大学)
【日本現代法律学会】 模擬法廷
日本大学 齋藤康輝ゼミナール
司会:小林幸夫(玉川大学)
討論:林 弘正(島根大学名誉教授)
贄 育子(姫路独協大学)
【日本現代公共政策学会】 NHKパネル
司会:杉田 淳(日本放送協会)
報告:久保 隆(日本放送協会)「議員2万人のホンネ」」
10:40~12:10
【共通】 日中国際シンポジウム「日中新時代を考える」 (使用言語:中国語・日本語)
司会:ケイ志強(国士舘大学)
報告:季衛東(上海交通大学)
:中日第三国協力と世界経済秩序の再構築:
蔡 亮(上海国際問題研究所)
:アジア太平洋地域統合における中日関係:
討論:山本朋広(前防衛副大臣兼内閣府副大臣・衆議院議員)
笘米地真理(衆議院政策秘書・法政大学大学院政策科学研究所特任研究員)
12:15~13:15
【共通】 日本政治法律学会理事会 / 昼食
13:15~13:30
【共通】 総会
13:30~16:30
【共通】 学会賞ご講演
<報道学会賞>
老川祥一(読売新聞グループ本社最高顧問)
:政治の取材について:
(プレゼンター:白鳥浩)
<現代法律学会賞>
西原春夫(早稲田大学名誉教授)
:令和日本の国家像ー法治有徳の平和国家:
(プレゼンター:齋藤康輝)
<現代公共政策学会賞>
中邨 章(明治大学名誉教授・特別研究教授)
:公共政策としての危機管理:
(プレゼンター:芦立秀朗)
<現代政治学会賞>
下斗米伸夫(神奈川大学特別招聘教授、元法政大学教授)
:ソビエト学からロシア学へー:
(プレゼンター:芦立秀朗)
16:40~18:00
【共通】 ご講演 山下貴司(法務大臣)
【共通】 ご講演 保坂展人(世田谷区長)
司会:白鳥 浩(法政大学)
討論:老川祥一(読売新聞グループ本社最高顧問)
18:15~
懇親会 (1号館1階 学生ラウンジ)
司会:柴田秀一(日本大学・テレビキャスター)
Copyright(C)The Japanese Political and Legal Studies Association, JPLAS All Right Reserved
本サイトはリンクフリーですが、すべてのコンテンツの無断転載、無断利用をお断りします。
【事務局所在地】
〒101-8375
東京都千代田区神田三崎町2-3-1
日本大学法学部本館 齋藤研究室
E-mail: 2020jplas★gmail.com (★を@に置き換えてください)