第14回大会(山梨学院大学)

11月2日から3日にかけて山梨学院大学で開催されました2024年度第14回秋季研究大会が無事に終了いたしましたことを、心よりお礼申し上げます。

 

多くの方々のご参加とご協力により、本大会は大変実り多いものとなりました。研究発表や討論を通じて、貴重な知見を共有し、互いに刺激を受けることができましたこと、深く感謝いたしております。

 

特に、準備段階からご支援いただいた皆様、当日運営にご協力いただいたスタッフの皆様、そしてご参加いただいた全ての研究者の皆様に、改めて感謝の意を表します。

 

今後とも、変わらぬご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げます。


2024年度秋季研究大会を以下の通り開催いたします。

 

日程:2024年11月2日(土)~3日(日)

会場:山梨学院大学(〒400-8575山梨県甲府市酒折2-4-5 )

プログラムの詳細は右のタブ「プログラム」もしくは下のボタンから御覧ください。


【共通テーマ】

 

石破新内閣誕生と東アジア

 

━「新しい友好関係の構築にむけて」━

 

 石破茂氏を首班とする新たな内閣が就任しました。2012年の自民党と公明党による「政権奪還」以降で、最低の支持率に落ち込んでいた岸田文雄首相の、2024年9月の自民党総裁選挙への不出馬を受け、現行制度になって以来、最多の9人による総裁選を勝ち抜いたのは「党内野党」という評価も高かった石破氏でありました。こうした日本の政治的変動の中で、石破首相は、就任後の戦後最短の解散総選挙を断行したといえます。こうした変化に驚いた会員の方々も多かったものと考えられますが、会員各位におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

 さて、こうした新しい内閣は新しい時代に対して何を行っていくのか。それが問われております。直前に行われました衆議院の解散総選挙は「政治とカネ」が問われた選挙でもございました。しかし、新政権の政策的な課題はそうした「政治改革」にまつわるものばかりではなく、折からの円安や、それに伴う物価高の中で、国民の生活をどのように維持、そして発展させるかという大きな課題もございます。そうした多くの課題に対して、果たして現在の石破政権は十分に国民の期待に応えられるのか、それが問われております。

 そうした新しい時代の日本政治、そしてそれを取り巻く法や公共政策の課題に対して、紅葉も見ごろを迎えようとしている緑豊かな山梨学院大学において、秋の研究大会を開催するはこびとなりました。これもこうした変化に、常に関心を持ち続けていただいておりました会員の皆様の、日々のご研鑽の成果によるものといってよいのではないかと考えております。

 今年の秋の研究大会は、「石破新内閣誕生と東アジア━新しい友好関係の構築にむけて」と題しまして、日本政治法律学会らしく、現在ホットな話題である東アジアにおけるグローバルな国際的な変化、そしてそれに対応した日本のローカルな国内の変化、そして新政権成立以降における日本政治の東アジアの中における展望を取り上げるパネルを中心といたしました。特に隣国である中国との関係は見逃せない視点です。この度は開催校の熊達雲特任教授のご尽力で、山梨学院大学国際共同研究センターとの共催で、中国の現地の研究者との交流パネルを設けることができました。山梨学院大学は日本の中において孔子学院を擁する中国研究の中心の一つであります。こうした機会に21世紀の超大国の一つである中国との関係を改めて構築する機会に恵まれたことは、日本の学会にとっても大きな意味があると考えております。

 本学会の理事でもあらせられる石破首相は、「アジア版NATO」構想を、今後の国際関係に対する一つの問題提起として行われました。しかしながら、この「アジア版NATO」構想は、多くの課題を提起するものです。特に日本国憲法の三大原理である「国民主権」、「基本的人権の尊重」、そして「平和主義」といった日本の根幹にかかわる問題提起をはらんでいるものともとらえられております。そこで、ここではその「平和国家日本」の中心たる「平和主義」の原則を明示した「日本国憲法第9条」において、もう一度見直す必要があると考え、現代法律学会の方でパネルを構成する運びとなりました。憲法学の中には「憲法保障」という概念があり、どのように時の政権が変わったとしても憲法の原則として変えてはならないものがある、という考え方がございます。そうした考え方をもう一度見つめなおす機会となりましたら幸いです。

 また、直前の選挙と関連して、2024年度前期には4月の東京15区衆院補欠選挙や、7月の東京都知事選挙をめぐって、「表現の自由」の問題が提起されました。前者では、候補者に対する批判の在り方について、後者では選挙ポスターの掲示のルールについて、大きな民主主義の問題提起がなされました。そこで、こうした表現の自由を、現在世界で広く行われているところもある、民族間の対立を煽る「ヘイトスピーチ」などにも視野を拡大し、「表現の自由の現代的意義」と題して、今後の民主主義を構想する若い学生たちの研究発表の場を設けました。若い、つい最近有権者になったばかりの学生たちが、どのように「表現の自由」をとらえているのか、そして民主主義や国際関係、あるいは法の体系の上で、それらの今後の期待されるありかたとは何なのか、そうしたことを考える機会となることを期待いたします。

 こうした日本における新しい政権の成立という、大きな時代の転換点で、これまでの政治を回顧する必要もあります。そうした中で現政権の政策実践につながる、これまでの政権の政策実践の現場にいらっしゃった政治家の先生にご登壇いただくことになります。

11月2日(土)には、現石破政権の政策の礎を築いたという評価もこのところ提起されている、前岸田政権における官房副長官でいらっしゃった自民党の参議院議員、森屋宏先生をお迎えして岸田政権における政策実践と、今後の新たな政治の可能性についてお話賜ります。岸田政権における官邸での経験や、そして故郷山梨に対する政治の熱い思い、そして山梨学院大学で学んだことなど、存分にお話賜る予定です。

 そして続く11月3日(日)には、こうした93年体制という連立の時代を「自社さ政権」そしてのちの「民主連立政権」で主導され、民主党幹事長、参議院副議長としてご活躍され、現在も立憲民主党で指導的お立場にある輿石東先生をお招きいたしました。輿石先生には、これまでの日本の政界再編や、日本における政権交代の経験、現今の日本政治の信頼回復や、今後の地方の在り方についてお話賜ることができるものと考えております。

 これほど豪華な登壇者を迎えられるのは日本政治法律学会をおいてほかにはありません。異なる立場から、それぞれ現代という時代を、どう分析されているのかお話し賜ることとなっております。こうした変化する世界に対して、日本のかじ取りを経験された与野党のそれぞれの政治リーダーが、その時代をどのようにとらえ、また現代の問題について、どういったことをお話し賜るか、参加者におかれましては、今後の日本の政治、法、公共政策について、非常に重要な示唆を得るものと思います。

さて国際社会における友好関係の構築とともに、日本という国家を見直すこと、そして日本における地域の発展は忘れてはならない重要なものです。そうした重要性を理解する上で、我々は現在の先人の営為に学ばなければなりません。

 それと関連し学会賞も、今回もこれら現代の課題に関連する各領域の代表者に受賞していただくこととなりました。今回の学会賞としましては、現代公共政策学会賞としては、日本の現代政治研究の韓国における第一人者として、現在、日韓関係のかなめとして韓国全権大使として赴任されたパク・チョルヒ(朴喆煕)先生(大韓民国大使、ソウル大学教授)を、現代政治学会賞としては、日本政治史研究の日本における最先端の研究者の一人である原武史先生(明治学院大学名誉教授)を、そして報道学会賞は現在でも第一線で活躍され、地方におけるメディアの重要な社会的責任を果たし続けていらっしゃっている野口英一先生(山梨日日新聞社・山梨放送社長)にご登壇賜ることとなりました。受賞者の皆様のこれまでの業績を、学会員一同、ご顕彰もうしあげるとともに、ご講演を通じて、その高い知見を会員の共通の財産とさせていただきたいと存じます。

 こうした非常に歴史的にも意義のある今大会に、山梨学院大学において開催校をお引き受けいただきました開催校理事の熊達雲先生・劉星先生におかれましては、並々ならぬご努力を賜りましたこと、ここに篤く御礼申し上げます。

 今年も学生を含めて対面での学会開催ができますことは、これまで変わらずに研究を継続されてきた会員皆様の貴重なご貢献の賜物と存じております。変化する時代に総合的に政治・法・公共政策を検討できますこと幸いに存じます。今年も多くの皆様のご参加を、紅葉の見頃の山梨でお待ち申し上げております。

 

2024年

秋吉日

 

日本政治法律学会理事長

白鳥 浩

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お弁当の申し込み
学会開催時の昼食について、開催校でお弁当(お茶込み)を1,000円で販売いたします。事前の注文が必要です。代金は、当日、会場受付でお支払いください。お弁当の注文は、別途メール送信の「第14回研究大会(山梨学院大学)お弁当受付フォーム」にて受け付けております。会員各位におかれましては、ご案内のメールを確認の上、事前の回答にご協力くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。(念のため、当該フォームを以下にも記載いたします。)

Google Forms:https://forms.gle/FiJRXP6X8LXWjvqh6
回答締切り: 10月23日(水) 18:00
10月23日をもちまして、こちらのフォームへのご回答を締め切らせていただきました。ご協力に心より感謝申し上げます。

1日目プログラム終了後の懇親会について
1日目プログラム終了後、懇親会を開催いたします。参加にあたって、事前のお申し込みが必要です。参加費は6,000円です。当日、会場受付でお支払いください。懇親会の参加申し込みは、別途メール送信の「第14回研究大会(山梨学院大学)懇親会受付フォーム」にて受け付けております。会員各位におかれましては、ご案内のメールを確認の上、事前の回答にご協力くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。(念のため、当該フォームを以下にも記載いたします。)

Google Forms:https://forms.gle/gWMbEi4Gdcggane38
回答締切り:  10月23日(水)18:00
10月23日をもちまして、こちらのフォームへのご回答を締め切らせていただきました。ご協力に心より感謝申し上げます。