【共通テーマ】新時代と危機:政治学、法学、そして公共政策
令和元年となった本年は、自然の力をまざまざと感じさせる年であったとして後世記憶されることとなるかもしれません。台風15号、台風19号といった直近に首都を襲った自然の猛威は、予期しえない大きな爪痕を残したものでした。
思えば日本を「災害列島」という呼称で呼ぶ方もいるように、台風のみならず、地震、津波、火山の噴火といった自然災害に見舞われることが度々あることが特徴の一つとして挙げられております。そうした災害の中で、2011年に起こった東日本大震災は、いつ、いかなる時でも、災害は起こる可能性があるということを私たちに教えているものであると考えられるのではないでしょうか。この大震災から、すでに8年が経過し、その記憶の風化すら、取りざたされておりますが、こうした危機に対する備えを我々が忘れてはならないということを、新しい時代の幕開けにおいて再確認することも必要であろうと考えております。
いやむしろ、新しい時代になったからこそ、これまでの危機に対する対応を再確認し、いつでも危機は生起しうるということを再認識することによって、次の時代への危機管理、災害への対策を考えることが出来るのではないでしょうか。今回、日本政治法律学会は、東日本大震災の被災地の一つである仙台の東北学院大学において、開催の場を設けることが出来ました。開催校の労を引き受けていただいた、遠藤隆幸先生をはじめとする東北学院大学の皆様を中心に、多くの方のご尽力によって今回の研究全国大会が成り立ちましたこと、厚く御礼を申し上げます。
今回の研究大会においては、多くの最先端の政治学、法学、公共政策のパネルのほか、初日のエクスカーションといたしまして震災遺構「荒浜小学校」を訪問することを予定しております。また、学会賞も、各界を代表される方にご登壇をお願いいたしております。現代政治学会賞として、北欧の福祉国家研究において世界的な業績を挙げられてきたシュタイン・クーンレ教授(Stein Kuhnle, ベルゲン大学 University of Bergen)、現代法律学会賞を民法の第一人者である中舎寛樹教授(名古屋大学名誉教授・明治大学教授)、そして現代報道学会賞を河北新報社の「震災関連報道取材班」の方々に授与いたします。また、今回、政治の現場で、今後の日本の政策を構想されてきた藤原崇先生(衆議院議員)、桜井充先生(参議院議員)といった与野党の重鎮に、時代の最先端の政策実践のお話も伺うことが出来る貴重な機会も設けられました。
令和という新しい時代を迎え、政治学・法学の研究も新たな地平を切り開こうとしております。まさに時宜にかなった企画に触れる貴重な機会となります。会員の皆様におかれましては、お忙しいところ恐縮ではございますが、万障お繰り合わせの上ご参加賜りますようお願い申し上げます。それでは、晩秋の東北で皆様にお目にかかるのを楽しみにしております。
震災遺構「荒浜小学校」の見学を開催いたします。ご参加には事前のお申し込みが必要となっております。
9:00~10:30
【日本現代政治学会】 自由論題パネル H303
司会:金井隆典(大和大学)
報告:石田雅樹(宮城教育大学)
:「良き市民であること」good citizenshipとはどのようなことか? ――ジョン・デューイ「市民性教育」論再考:
佐賀香織(フェリス女学院大学)
:能楽復興と近代国家日本の文化政策:
亀田晃尚(法政大学大学院)
:政権交代と領土政策の変容:
討論:吉田龍太郎(慶應義塾大学)
村岡敬明(明治大学)
【日本現代法律学会】 自由論題パネル H304
前半(9:00~9:45)
司会:松野民雄(城西大学)
報告:鵜殿美香(東北大学)
:災害による孤児の養育~東日本大震災における対応からの考察:
後半(9:45~10:30)
司会:下條芳明(朝日大学)
報告:田上雄大(日本大学)
:ウクライナ情報法に関するウクライナ憲
10:40∼12:10
【日本現代政治学会】 参院選パネル H303
司会:白鳥 浩(法政大学)
報告:伊藤裕顕(富士大学)・河村和徳(東北大学)
:内向き選挙戦に終始した自民党敗北の必然~参議院議員選挙岩手選挙区~:
芦立秀朗(京都産業大学)
:非自民非共産の候補はなぜ二人区で敗北したのか:京都府選挙区の事例から:
討論:丹羽 功(近畿大学)
【日本現代法律学会:国際会議】 ワイマール憲法100年―日本におけるドイツ憲法の継受 H304
(Weimar Constitution 100th Anniversary Symposium) 協賛:(公財)仙台観光国際協会
司会:小林幸夫(玉川大学)
報告:齋藤康輝(日本大学)
:ワイマール憲法再考─
討論:初宿正典(京都大学名誉教授)
12:15~13:15
日本政治法律学会理事会・昼食
13:15∼13:30
総会 H301
13:30∼16:30
【共通】学会賞ご講演 H301
現代政治学会賞
Stein Kuhnle(University of Bergen)
現代法律学会賞
中舎寛樹(名古屋大学名誉教授・明治大学教授)
現代報道学会賞
河北新報社 震災関連報道取材班
16:40∼18:00
【共通】政治家ご講演 H301
藤原 崇(衆議院議員)
司会:井柳美紀(静岡大学)
討論:齋藤康輝(日本大学)
芦立秀朗(京都産業大学)
18:30∼
懇親会
9:00~10:30
【日本現代政治学会】 統一地方選パネル(続編) H303
司会:井柳美紀(静岡大学)
報告:佐藤亮司(放送大学修了)
:保守分裂の構図-2019 年福井県知事選挙に関する一考察-:
加藤健太郎(河北新報社)
:(仮)新聞記者から見た選挙:
討論:中井 歩(京都産業大学)
【日本現代法律学会】 自由論題パネル H302
司会:贄 育子(姫路獨協大学)
【日本現代公共政策学会】 自由論題 H304
司会:宮﨑一徳(参議院事務局)
報告:桶本秀和(城西大学)
:東京都における工業用水道廃止の政治過程:
宮坂久美子(法政大学大学院)
:常任委員会のチェック機能に関する一考察ー神奈川県の指定管理者制度にかかる常任委員会報告を事例として:
討論:宮﨑一徳(参議院事務局)
朝倉幹晴(船橋市議会議員)
10:40∼12:00
【共通】 現代政治法律学生コンペ「18歳成人の課題」 H303
参加チーム
近畿大学丹羽ゼミA(2名)
近畿大学丹羽ゼミB(2名)
法政大学白鳥ゼミA(9名)
法政大学白鳥ゼミB(9名)
静岡大学井柳ゼミ(12名)
京都産業大学芦立ゼミ(2名)
審査員長:新川達郎(同志社大学)
審査員:佐伯康子(清和大学)
塚崎裕子(大正大学)
司会兼審査員:贄 育子(姫路独協大学)
【日本現代公共政策学会】 地域政策パネル H304
司会:井田正道(明治大学)
報告:朝倉幹晴(船橋市議会議員)・石渡ゆきこ(港区議会議員)
:2019年4月統一地方選を体験して感じること~千葉県船橋市議選(無党派・選挙カー・事務所なし選挙、8位合格)と東京都港区議選(初挑戦・女性・次点と1票差でぎりぎり合格)の体験から~:
相田準一(バイオブロック工法普及協議会会長・むかわ町恐竜センター理事)
:2018.9.6 北海道胆振東部地震「むかわ町」からの報告:
討論:小野義典(城西大学)
12:00~13:00
各学会ごとに理事会・昼食
13:00∼17:00
【共通:一般公開】市民公開講座「災害時における子どもの法的及び社会的支援―東日本大震災における子どもの問題を踏まえて」 ホーイ記念館ホール
(On Legal and Social Support for Children in Disasters : Based on the problems of children in the Great East Japan Earthquake)
※入場無料 どなたでも聴講いただけます
主催:「震災と子ども」研究会
共催:日本政治法律学会
協賛:(公財)仙台観光国際協会
第一部(13:00~16:00)
<基調報告>
遠藤隆幸(東北学院大学)
:問題提起―里親と未成年後見人の監護権の視点から:
羽田さゆり(東北学院大学)
:未成年後見人の財産管理―ドイツ法を参考にして:
阿部純一(鹿児島大学)
:災害における未成年後見(法人・複数後見)の意義と課題:
四條北斗(大阪経済大学)
:子どもの養育環境と刑事法:
鈴木 努(東北学院大学)
:災害遺児の社会的養護に関する市民の意識:
<討論・質疑>
指定討論:宮本ともみ(岩手大学副学長)
第二部(16:00~17:00)
<ご講演―政治の現場から>
桜井 充(参議院議員)
司会:新川達郎(同志社大学)
討論:桐谷 仁(静岡大学)
松野民雄(城西大学)
17:00~17:30
学生コンペ 結果発表・表彰式
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